日本で10数年をすごしている外国籍の友人がいる。
彼女は自分の故郷のことを多くは語らない。ここ数年、
彼女とお付き合いをさせてもらっているが、私は彼女が
自分の国にいた時のことは殆ど知らない。
「弟がもうすぐ日本に来ます。」
妹が二人いることは知っていた。また、弟がいる事も知っていた。
もう一人、弟がいることを知ったのは1年前ほどのことだった。
親しくなった分、いろいろなことが見えてきた。
朝からフルタイムで普通に仕事し、夜また仕事に出る生活を
もう何年続けているのであろう。週明けの彼女のHangoverの顔は冴えない。
兄弟が8人であることもほんの1ヶ月前に知ったことだった。
毎月約8万円程度の仕送りをしている。この仕送りが彼女の母国の家族の
生活を支えている。弟妹たちの大学の学費もあると言う。
彼女の仕送りでせっかく大学を卒業しても、お国では仕事に就けない。
アルバイト程度の仕事をしても、その日を食べて行くことで精一杯。
働いても彼女の兄弟たちはお小遣いもないという。
生活にゆとりができると、彼女は下の兄弟たちを日本に呼び寄せる。
また、兄弟たちは「ねいちゃんは、次に誰を呼んでくれるのだろう」と
待っているのだ。
ある弟は警察官の道を歩み始めたが姉は生命の危険を案じ、
警察官を辞めさせ日本に呼び寄せた。普通の生活の中に
麻薬・銃といった存在が普通にある国である。
その弟のビザの更新が日本でかなわなかった。日本にもっと滞在していたい
という気持ちが、ビザが切れるその日に帰国した。彼の気持ちが痛かった。
帰国の前日に私に会いに来てくれた。私が差し出した手を両手で握りしめて、
「Princess see you!」
そして彼の 大きなハグ 。思わず彼を抱きしめ返した。
そのまま黙ったままで見送った。
私は「もう一度、会いましょうね」と言い返せなかった。
何故言えなかったのだろう。弟もまた姉の負担をよく理解していた。
帰国当日、成田でドタバタ劇があった。
第2ターミナルに着いたとき、彼の乗る飛行機を示す電光掲示板は
点滅をしていた。結局彼は、当日、第3国経由で無事の帰国となったのだが、
彼が最後の最後まで日本に留まりたい気持ちを強く感じた。
私も自分探しの旅に出ます。飛行機に乗り遅れないよう
準備はOKです。では4月になったらまたお会いしましょう。
See You! (^o^)//"""