浄玻璃の鏡

この話を聞いたときはとても怖かった。
また、嘘をつくと閻魔さまに舌を抜かれてしまうことも聞かされた。
嘘はついてはいけないと・・・。

空想の世界とおもいつつも高校、大学生のときは
浄玻璃の鏡を前に、閻魔さまの前で往生際悪く
「私は決して悪い事はしておりません」と
叫んでいる自分を想像しながら悪い事をしたものです。

「あの世があるにしろ、地獄があるにしろ
 毎日を精一杯まじめに生活をしていれば何の心配はないよ」
と婆(ばば)ちゃんは言った。


不殺生(ふせっしょう)

不偸盗(ふちゅうとう)

不邪淫(ふじゃいん)

不妄語(ふもうご)

不綺語(ふきご)

不悪口(ふあっく)

不両舌(ふりょうぜつ)

不慳貪(ふけんどん)

不瞋恚(ふしんに)

不邪見(ふじゃけん)


「十善戒」仏さまの教えです。

あらゆるものの生命を尊重し、他人のものを尊重し、
お互いを尊敬し、正直に、よく考えて話そう。
思いやりのある言葉で、惜しみなく施しをし、
にこやかに笑って、正しく判断して日々を暮らす。

(参:智山教化センター「生きる力」より)


婆ちゃんは、悪戯して叱られてしょぼくれている私に
「人の顔は心がけ一つで鬼にもなるし、仏さまにもなれるんだよ」
と十善戒を教えてくれた。



日頃の生活の中で活かしていけば、
心の迷いや不安は不思議と消えて行くものだ。
清らかで穢れなく輝く満月のように・・・。


欲しいままに行動し、自分だけがよければそれでよいという
殺伐した時代であるからこそ、自分を見失うことなく
私はそのものだからこそ 婆ちゃんの言葉が繰り返し 
私の心に響いています。



人を不愉快にする鬼の顔になるか
せめて、人に清々しさを与える仏さまのようなお顔に
少しでも近づけるようになりたいものです。