末期(まつご)まで
きみもわれも
あの橋より
市井に堕つる
月を忘れず





 「きょうは梅の花がとってもきれいよ」

という姪っ子の声に
そっけない返事しか
できない私に


「大嫌い!」




今年になってから
ママと一緒にいる時間より
私といる時間が長い姪っ子


おいおい、この私をつかまえて

呼び捨てはないだろう!




「お疲れさまでした」
と、声を掛け合って
それぞれの帰途につく


会社の前にある梅の花は
暖かい今日の気温に
ひとつまたひとつと
可憐さを増していく


今夜は
花からのぞくあいだいに
まんまるな月がすけてみえる


帰り道
泣きたくなる様な
痛みに襲われて


幼子のように
道端にしゃがみこんで
わーわーと
泣き喚きたくなった



梅の花と満月
心躍るような情景なのだろうが
今日は痛みが強く
この月も

「ふざけんなーー!」