原作、嶽本野ばらの小説を数多くのヒットCMを手がける中島哲也が
監督し映画化したもの。
個性的なキャラを主演の深田恭子と土屋アンナをはじめ
多彩なキャストが演じるコメディー「下妻物語」。
深田恭子が演じるふりふりロリータファッション命の桃子、
とことんマイ・ペース。
土屋アンナが演じるヤンキー娘のイチゴ、ハスキー・ボイスで
眼光鋭くひたすら周囲を威圧しまくる。
ものの見事にハマっています。
普通だとありえない事が起こりまくり。
ミスマッチな複数文化をごっちゃにしたカラフルな映像で、
強引に見せきってしまう。思わずウン!と納得させられてしまうのです。
田舎町・茨城県下妻。
何もない田園風景に姿を表すジャスコ。
ジャスコ、なんで~。
そして何もない田園風景に突然に出てくる牛久大仏。
牛久大仏、なんで~。
田んぼだらけの他に何にもない風景の地形効果のアクセントなのですね。
下妻ワールドへぐいぐいと引き込まれてしまいます。
牛久大仏は高さ120m、世界一の高さを誇る。
あの奈良の大仏様だって手の平にのってしますのですから。
ボロボロの家に桃子のフリフリのお洋服、のんびりにしてラディカルといった
数々のアンバランス要素の共存。
そしてバラエティ豊かなキャスティングの妙は思わずニヤリとさせる。
全部がはちゃめちゃなのに、この刺激が妙にたまらない。
二人とも場面転換直前の決めポーズらしきものを持ち、
二人のごつごつした個性。
正反対の性格の2人の女の子に次第に友情が芽生え始める。
テーマは普通の友情物語、であることは確かなんだけど、
何なのでしょう~、このバカバカしさ。
ここまで来ると愛さずにはいられない。
このバカバカしさが、ものすごく心地いいのです!
憧れのBABYロリータファッションショップでお仕事が
できるかもしれないという、夢のような現実を前にして
臆病になってしまう桃子。
『今まで通り、お客さんでいた方が幸せかも』と揺れてしまう桃子。
夢を諦めてしまった大人が通る逃げ道でもあるのかなぁ。
自分のことのようにドキンときちゃったのです。
【DVD鑑賞】