
浅井忠 『農夫帰路』
1887年 油採 (財団法人ひろしま美術館)
日本の近代洋画(明治美術)の先駆者
浅井忠31歳のときの 作品です
農夫の背負子には たくさんの藁
一日の農作業の様子が 伺えます
農婦の右手には 鉄瓶でしょうか
お水は 家からもっていくのか
また田んぼの近くに湧いている
清水があって
そこで汲んだのだろうか
畦で お湯を沸かしたりして
おにぎり ここでは 握り飯と言う方が
似合っていると 思うのだが
塩むすびかなぁ 美味しいであろう
おにぎりを 想像してしまう
この絵は 写真を参考にして描かれたものだそうだ
当時の西洋画を学ぶものには 写真は欠かせない手本だったそうだ
ある学芸員は この絵を
夕日を浴びる農民 堂々と
などと、英雄の肖像画と 称えている
私にはどうも そうは思えないところがる
日本の農村の過酷な労働と
気候に左右される 収穫
農民はつねに 明日への危機感を
持っているのではないだろうか
明日 そして何ヵ月後
そして翌年のことを考え そこには
常に将来のことを 考えている
生きているためには 地道な努力が 必要なのだ
どうも日本の農業に 暗いものを感じてしまう
私の偏見なのかもしれないが
とうてい 英雄たちの肖像画などとは感じられない
歴史的背景の考察はしていないが
かたや鹿鳴館という華やかな世界があって
かたや子どもも不可欠な労働力の 農民の生活
農夫にスポットをあてた この絵には
なにか暗いものを 感じてしまうのである
八王子あたりの絵だそうだ
のちに この絵の元になった写真が見つかっている
かなり大きな絵だった
しばらく この絵の前に佇んで
思ったことを 書きました
「田園讃歌-近代絵画に見る自然と人間」
埼玉県立近代美術館 開館25周年記念展
2007年10月27日(土)~12月16日(日)




