駝鳥の絵を描いている日本画家
姪っ子と出かけて行った。
遠目に見ると それは水墨画
実際に目の前にすると
駝鳥の体部分は立体に描いてある。
聞くに天然の石を細かく砕き
膠でとめていく手法だそうだ。
マットに見えるが直視するに
天然石特有の輝きがある。
すくっと伸びた頚は
うぶな羽毛に覆われた如く
しなやかな頚が伸びている。
駝鳥の羽のボリューム感と質感
触れることなく駝鳥の体温と柔らかさが伝わってくる。
不思議だ。描かれた絵なのであるのに。
駝鳥たちが歩き動く音も
聞こえてきそうな躍動感があるのに
気持ちが落ち着いてきた。
それは
動きのある描線であるのに一本一本の線に
福井江太郎の優しさを感じたからだと思う。
金箔に描かれたモチーフのひとつ
『カサブランカ』
墨を落として広がる線
どんな風に描いているのだろうかと疑問が浮かんだ。
持つ筆の動き
力の入れ具合で生きているような線になるのだろうか
運良く福井江太郎さんご本人に
直接お話を聞くことができた。
素人の質問は実に愚問であるのだが
丁寧に答えしてくれた。
金箔に落とした墨
吸わない はじく なかなか乾かない
そんな材質に 墨の動きを追い続けた。
カサブランカは繊細な細い線で書かれている。
その筆遣いにも 疑問が湧いてきた。
また、愚問をぶつける私
きっと彼の業務上の秘密なのだろうが
これにも答えてくれた。
美術鑑賞は作品を目の前にして
実際に解説を聞くとぐーっと
作品に理解が深まる。
書道を少しだけ齧った私
彼の話すことに ちょっとだけ理解できた。
そうなると 日本画が身近な存在となる。
芸術品の鑑賞というものを
少しだけ知ったような気になるなか
おもしろい。
人の趣味なんて きっかけはこんなものかもしれない
人生の枠が広がった気がした。
福井江太郎さん
1969年生まれのお若い日本画家です。
背が高くて 髪の毛をワックスで立たせて
その立たせ方も特徴的
ファッションも奇抜でなく洗練されていて
パンフでみるよりイケメンでした。
まったくピントの外れた私の質問にも
優しい笑顔でわかり易くお答えしてくださいました。
銀座の老舗料亭「花蝶」の襖絵を担当した
若手日本画家です。




